何かと耳にする機会が増えた「電子帳簿保存法」
テレビのCMでもしょっちゅう流れています。
ただ正直なところ国民の理解が追い付いておらず「これは一体何なのだ?」と
いう意見が多いのも事実です。
極端な話、完全に理解をしている人口の方が少ないと思います。
しかしながら、企業を経営していく中で避けては通れなくなってきた事も事実。
今回はざっくりとですが概要と対策を解説したいと思います。
まず「電子帳簿保存法」とは何かですが
「請求書や領収書をパソコンに保存する方法を定めた法律」です。
詳しい内容は国税庁のHPありますが、正直なところ意味が分かりません。
というのも読み進めていくと、難しい言葉の列挙で分からないです。
そこで要点をまとめると
1:メールやインターネットで受け取った請求書や領収書は印刷しても認めません。データとして保存が必要。
2:紙で受け取った請求書をスキャナで読み込んでデータ化しても要件を満たさないと無効。
3:電子データとして受け取った場合だけではなく、送った場合でも保存が必要
4:2024年1月1日から始まる。
こんな感じです。
極端な話、メールやインターネットを介して
金額が影響する書類を一つも受け取っていなければ対応は不要です。
とはいったものの、このご時世
そんな企業はほとんどないのも事実かと思います。
ここでいう書類とは
請求書、領収書、契約書、見積書などになります。
これらはメールでやり取りをする事が多いと思います。
また、ネットショップで商品を購入すると
当然のように請求書や領収書はダウンロードになります。
これはもう立派に電子帳簿保存法の中に含まれてしまいます。
FAXに関しても注意が必要です。
普通に受信をして即印刷をするタイプでしたら問題ないのですが、
ペーパーレス化として、一度受信をして内容を保存しているタイプですと
電子取引になるので、それなりの保存方法が必要になります。
この範囲になると、該当しない企業はかなり減ると思います。
そして法的な猶予は2023年の12月末日までですので、そろそろ準備が必要です。
ではどうすれば良いかですが、当初の予定ですと
めちゃくちゃお金をかけてシステムを導入しましょうというものでした。
ですがそれでは厳しいという事で、大分緩和と期日の延長がされてきています。
もちろん現在でも、当初のやり方が推奨されてはいますが、
ここでは、なるべく安価に済ませられる方法をお伝えします。
1:改ざん防止のための事務処理規定を定めて守る。
電子データは改ざんし放題という考えがあります。
なので本来は改ざん不可能なシステムで保存じゃないと駄目でしたが、
それでは敷居が高すぎるという事になりました。
そこで、社内規則で電子書類の改ざんは絶対に行わないという規定を制定して守ることで
大丈夫になりました。
ただ、社内規定を作る事は難しいと感じるかもしません。
しかしながら国税庁のホームページに社内規定の骨組みがワード文章でダウンロードできますので
それを名前などの手直しするだけで簡単に作れます。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm
2:データできた書類を保存する場所を作る。
枚数が少なければパソコンでも大丈夫ですが、
複数人で保存をするのでしたら、ネットワーク上にあるサーバーであるNAS(ナス)に
保存した方が便利です。パソコンは保存だけではなく、日頃の業務にも使うので
その分故障率は上がります。大切なデータになりますので
保存専用で安定稼働が出来るNASに保存をお勧めします。
3:「⽇付・⾦額・取引先」で検索できるようにする。
メールやインターネットからダウンロードした請求書などを、
ただ保存すれば良いという訳ではありません。
日付、金額、取引先を言われたら、それらで検索をして
パッと表示が出来るようにしなければいけません。
この方法ですが、専用の検索システムを導入する方法もありますが、
それではコストが高くつきます。
そこでファイル名に規則を持たせて、必要な情報を記入します。
例えば2023年6月5日 ㈱東洋通信からの110,000円の請求書なら
「20230605_110000_㈱東洋通信」
というファイル名にします。
そうすると、パソコンの検索機能を使って必要な伝票をピックアップすることが出来ます。
4:紙で届いた書類は紙で保存。
上記と同じような方法で、紙できた請求書をスキャナで読んでデータ化して
名前を付けて保存すれば良いのでは?と感じるかもしれませんが、
実はそれは駄目です。
というのも、スキャンにはスキャンに必要な要件がいくつかあって、
それを満たすにはタイムスタンプの準備等コストがかかります。
なのであくまで紙で届いた請求書に関しては紙で保存をしましょう。
これらの要件を満たす事により、
2024年1月1日を迎えても何も怖くなくなります。
とはいったものの、データの保存に関しては手間や不安が生じる事も事実。
正直なところ、今現在、手元にある設備と人材でパッと対応できる企業の方が少ないとも思います。
そういう場合は、少しコストがかかってしまいますが
新たに電子帳簿用のNASを導入したり
簡単にデータを管理できるようにする仕組みを専門家に依頼する方法も良いかもしれません。
難しい法律でしょっちゅう内容が変わっていくので
お気をつけください!